メルマガは今でも読まれるの?現状・メリット・デメリット・将来性を徹底解説

メルマガ(メールマガジン)なんてもう古い」と思っていませんか?

今では、SNSやLINEが主なコミュニケーションツールになり、メルマガは過去の手段だと考える人も少なくありません。

しかし、実際には、国内外を問わず多くの企業・個人がメルマガを活用しています。
購読者のメールボックスに直接届くメルマガは、デジタルマーケティングにおいて依然として重要な役割を果たしています。

この記事では、最新データをもとに「メルマガは今でも読まれるのか?有効な手段になるのか?」を徹底解説していきます。

メルマガの現状

圧倒的なメール利用基盤

メールマガジン(メルマガ)は「古い手法」と見なされがちですが、実際には、現在でも重要なマーケティングツールとなっています。

2025年時点で、全世界で46億人超がメールを日常的に利用しており、これは世界人口の57%以上に相当します。(SQ Magazine)。
また、2025年には1日に送受信されるメールが3,760億通 に達すると予測されています(2020年比+23%)(Whop)。

このデータからも、メールは依然として主要コミュニケーション手段であることがわかります。

メルマガの開封率(国内・国際)

メルマガの開封率は、世界的な平均は22.4%(2024年の21.2%から若干の上昇)とされています(SQ Magazine)。
一方、日本国内では、メルマガ全体の平均開封率が約31.75%とのデータもあり、グローバル平均を上回っています(note(ノート))。

ただ、世界的に見ると、ある分析では42.35% とする結果も報告されています(genesysgrowth.com)。
業界や計測手法によって差がある点は留意が必要です。

業界により差がある開封率

メルマガの開封率は、業界によっても異なります。

Constant Contactによる2024年10月時点のデータでは、全業種平均開封率は36.11%です。

業種別では、保育・託児で 48.51%、社会福祉で42.04% と高め、一方、テクノロジー分野は26.80%に留まります(おまかせ!N|株式会社NTT東日本)。

また、日本国内などでは、EC・D2Cでは15~25%、アパレル・コスメで18~28%、BtoBでは20~30%、SaaS・IT業界では20~35% が目安とされます(Recustomer Magazine)。

測定の信頼性に関する注意点

Appleの「Mail Privacy Protection(MPP)」機能、とくにiOS 17の対応により、開封率の計測が正確でない場合があります。
読者がメールを開かなくても、Apple側で自動的に開封と判断されるケースがあるため、本来の開封行動を捕捉しづらくなっている点に注意が必要です(Recustomer Magazine)。

まとめ:現状フェーズとしての「メルマガ」

ポイント 内容
メール基盤の強さ 世界・日本ともに依然としてメール利用が根強く、日々膨大なメールがやり取りされている。
開封率の安定性 国内では30%前後、業界次第ではさらに高水準。グローバル平均と比較しても、一定の効果を見込めるレベル。
計測の注意点 AppleのMPPによる計測歪みなどがあるため、開封率だけに頼らず、クリック率や購買貢献など多角的な評価が必要。

メルマガが有効な理由

メルマガは、「古い手法」と思われがちです。
ですが、実際には現代のマーケティングにおいても非常に有効です。

その理由を具体的に見ていきましょう。

1. リーチの確実性

SNSの投稿はフォロワー全員に届くとは限らず、アルゴリズムによって表示されないこともあります。

一方で、メルマガは登録済みの読者のメールボックスに確実に届きます。
これは、マーケティングで最も重要な「確実に情報を届けられる」という点で大きなアドバンテージです。

たとえば、InstagramやX(旧Twitter)では投稿が一瞬で流れてしまい、ファンの目に届くタイミングは不確実です。

しかしメルマガなら、読者は自分のタイミングでメールを開くことができ、内容にじっくり触れることができます。
この「確実性」が、購買意欲の高い読者にアプローチするうえで非常に重要です。

2. 資産性の高さ

メルマガの最大の強みの一つは「資産性」です。

メールアドレスは自社で管理できる顧客資産であり、SNSのアカウントに依存する必要がありません。
もしSNSアカウントが凍結されたり、プラットフォーム自体の仕様変更があった場合でも、メルマガのリストさえあれば顧客に直接アプローチできます。

たとえば、ECショップでは、SNSで集客した見込み客をメルマガに登録してもらうことで、長期的に関係性を維持し、購入やリピートにつなげる戦略が一般的です。
SNSは「集客チャネル」、メルマガは「資産チャネル」としての役割を担っているのです。

3. 購買意欲の高い読者に届く

メルマガを購読している人は、自発的に登録しています。
つまり「この情報を受け取りたい」「関心がある」という購買意欲の高い層が集まっているのがメルマガです。

この点は広告やSNSの投稿とは大きく異なります。
広告は幅広くリーチできますが、必ずしも購買意欲の高いユーザーに届くわけではありません。

メルマガは、購読という行為そのものが「関心の高さ」を示すため、コンバージョン率の高さにつながりやすいのです。

実際に、ECやD2Cブランドでは、メルマガ経由の売上が全体売上の30%以上を占める例もあります。
新商品の案内やセール情報、会員限定のクーポンなど、メルマガは直接的な購買行動を促す手段としても非常に効果的です。

4. セグメント配信や自動化が可能

現代のメルマガは単なる一斉送信ではなく、読者の属性や行動に応じて内容を変えることができます。
性別・年齢・過去の購入履歴・開封履歴などに基づき、最適な内容を配信できるため、読者にとって価値の高い情報を届けられます。

さらに、シナリオ型の自動配信も可能です。
たとえば「登録直後のウェルカムメール」「誕生日クーポンの自動送信」「購買後のフォローアップ」など、手間をかけずにパーソナライズされたコミュニケーションを実現できます。

これにより、単なる情報提供に留まらず、購買行動や顧客のロイヤルティ向上につなげることができるのです。


まとめると、メルマガが有効な理由は次の4つです。

  1. リーチの確実性:登録者のメールボックスに直接届く
  2. 資産性の高さ:SNSに依存せず自社で顧客リストを管理できる
  3. 購買意欲の高い読者に届く:登録行為自体が関心の証拠
  4. セグメント配信や自動化で効果を最大化:個別最適化による高い価値提供

これらの強みを活かせば、SNSが主流の現代でも、メルマガは非常に有効なマーケティング手段であり続けます。

メルマガのデメリット

メルマガは有効ですが、活用にはいくつかの注意点もあります。
メリットだけでなくデメリットを理解することで、より効果的な運用が可能になります。

Tips

  1. 迷惑メールに入りやすい
  2. 情報過多で埋もれやすい
  3. スパム扱いされるリスク
  4. 開封率の低下
  5. 作成・運用コストがかかる
  6. 即時性でSNSに劣る

1. 迷惑メールに入りやすい

受信環境やメールサービスによっては、メルマガが迷惑メールフォルダに振り分けられることがあります。
たとえ正しく配信しても、読者の目に届かないと意味がありません。

迷惑メールに分類される要因としては、件名や文面の言葉選び、過剰なリンク、送信元ドメインの信頼性不足などが挙げられます。

2. 情報過多で埋もれやすい

現代のメールボックスは、1日に数十通~数百通の情報で埋め尽くされます。
その中でメルマガが目立たなければ、開封すらされない可能性があります。

これは、情報過多社会ならではの課題であり、件名や内容の工夫が不可欠です。
たとえば、短く具体的な件名や、読者に直接役立つ内容で興味を引くことが求められます。

3. スパム扱いされるリスク

購読者の同意なしに送信すると、迷惑メールとしてスパム判定される危険があります。
ブランドや企業の信頼を損ねるリスクもあり、オプトイン(明確な同意)を徹底することが重要です。

4. 開封率の低下

メールは届いても必ず読まれるわけではありません。

平均開封率は20~30%程度で、多くの読者はメルマガをスキップする傾向があります。
内容の魅力だけでなく、配信タイミングや頻度も影響します。

5. 作成・運用コストがかかる

メルマガは定期的にコンテンツを考え、文章を作成し、配信システムを管理する必要があります。
小規模事業者や個人にとっては、この運用負担がネックになる場合もあります。

6. 即時性でSNSに劣る

速報性や拡散力では、X(旧Twitter)やLINEなどのSNSに劣ります。
リアルタイムのニュースやキャンペーン情報を伝える場合は、メルマガ単体では不十分なこともあります。

読まれるメルマガにする工夫

デメリットを補い、メルマガの効果を最大化するためには、以下のポイントが重要です。

1. 件名で興味を引く

メールを開封してもらうためには、件名が最初の関門です。
短く具体的で、読者が「開けてみたい」と思う言葉を選びましょう。

たとえば、数字や期間限定情報を入れると効果的です。

2. 読者に役立つ情報を優先

単なる宣伝ではなく、読者にとって価値のある情報を提供することが重要です。
たとえば、ノウハウ記事、限定特典、事例紹介など、読者が受け取りたい情報を優先することで開封率とエンゲージメントが高まります。

3. 配信頻度の最適化

多すぎると迷惑に、少なすぎると存在感が薄れるため、配信頻度は週1~2回、または月数回が目安です。
読者の反応を見ながら最適なペースを探ることが大切です。

4. スマホ対応デザイン

多くの読者がスマホでメールを確認するため、読みやすいレイアウトと簡潔な文章を心がけましょう。
画像のサイズやリンクの配置も重要です。

5. オプトインと信頼の徹底

読者の同意を得たメールだけを送ることは、スパム扱いを避けるだけでなく、ブランドの信頼性向上にもつながります。
登録時の確認や配信停止の案内も明確にしておくと安心です。

メルマガの将来性

「メルマガは古い」と思われがちですが、技術の進化により、将来はさらに重要性が増す可能性があります。

1. AI活用の進展

AIによる件名や文章の自動生成、読者ごとに最適化した配信スケジュールが普及することで、開封率やコンバージョン率の向上が期待できます。

2. パーソナライズ化の強化

購買履歴や行動データを基に、一人ひとりに最適化された内容を届ける「高度なパーソナライズ」が当たり前になります。
これにより、読者満足度やロイヤルティが高まります。

3. 動画やリッチコンテンツの導入

短い動画やインタラクティブな要素をメール内に組み込むことで、情報伝達力や訴求力が大幅に向上します。
従来のテキスト中心のメールに比べ、視覚的・体験的な価値が増すのです。

4. SNS・LINEとのハイブリッド活用

メルマガ単体ではなく、SNSやLINEと連動させることで、認知→教育→購入までの流れを強化できます。
ハイブリッド運用が標準化することで、効果的なマーケティングチャネルとしてさらに重要になります。

5. 信頼性の重要性増大

プライバシー規制や個人情報保護の意識が高まる中、読者との信頼関係がより重視されます。
メルマガは、この信頼構築の手段として価値を維持し続けるでしょう。

まとめ

今回は、メルマガの有効性についてまとめました。

  • メルマガは今でも十分に読まれており、有効なマーケティング手段です。
  • デメリットはあるものの、工夫次第で効果を最大化できます。
  • AIやパーソナライズの進化により、将来的にはさらに重要性が増すでしょう。

SNS全盛の時代だからこそ、「確実に届くメッセージ」を持つメルマガは、今後も価値を持ち続けると言えます。

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